寝屋川社協のつぶやき

寝屋川市社会福祉協議会・ボランティアセンターのつぶやきを書いています。

福祉教育研修会開く

熱く語りかける新崎先生

今日、寝屋川市立総合センターの講堂で、教育委員会と共催で福祉教育研修会を開催しました。
参加者は183名(幼稚園・小学校・中学校の先生40名、校区福祉委員106名、ボランティア31名、施設職員など2名)でした。
目的は、総合的な学習の時間が導入されて以降、学校の生徒に対して車イス体験、アイマスク体験、点字、手話、当時者の体験談、平和学習(語り部活動)、昔遊びなどを一定プログラム化してボランティア、校区福祉委員と連携して支援を行ってきていますが、どうしても「体験」で終わっていることへの危惧を感じる中で今後の福祉教育のあり方や、子ども達に伝えるべきことを明確にしたいという想いをもって、福祉教育コーディネーター、ボランティアと話し合いを重ねて企画をたてました。

今回の研修会は2部構成で行いました。
はじめに、社協会長と市教育研修センター所長からのあいさつの後、研修会をスタートしました。

1部
大阪教育大学助教授の新崎国広先生から「地域とつながる福祉教育」というテーマで、福祉教育の位置付け考え方や今日の「ふくし」について参加者を巻き込むワークを取り入れながら身近に感じてもらいました。その中で学校と地域がつながることで子ども達そして関わる大人も共に成長していくことを力説していただきました。その言葉を「人は必要とされることを必要とする」という言葉で説明していました。この言葉には、誰もが地域で生活している人として尊ばれるべきで、高齢者だから、障害者だからではない。と話されていました。

休憩後
2部
南小学校の昨年6年生での取り組みと南校区福祉委員会とつながっての交流への広がりの実践報告を先生、疑似体験指導インストラクターボランティア「うらしまさん」のメンバー、校区福祉委員からそれぞれの立場から報告していただきました。
コーディネーターは引き続き新崎先生にしていただきました。
小学校の先生からは、福祉体験学習(高齢者疑似体験キット)をする前に高齢者のイメージをキーワード化して生徒に考えてもらうと、50%近くがマイナス的なキーワードの言葉がたくさん出てくる一方、「優しい」「暖かい」などのプラスイメージのキーワードも多くの割合があり、子ども達のもつ考えを把握した上で、体験キットを装着し体験してみると、子どもたちからは自分の考えたキーワードが実感となっていった様子を話していただきました。
ボランティアからは、疑似体験インストラクターボランティアを社協が講座で養成し、そこから羽ばたいた様子を話していただきながら、実践の場面での様子を体験キットを実際に見てもらいながらわかりやすく説明していただきました。
最後に校区福祉委員さんからは、福祉体験をした子ども達が地域の高齢者と交流をして行く様子を話していただきました。また、学校と地域とがつながったきっかけは、運動会での「子ども達の出し物を地域の高齢者に見てもらったらいいのでは」と先生に何気ない言葉から先生が動き学校が動きだし、交流の前に高齢者のことを知ろうということから体験学習を導入し福祉委員、ボランティアが関わっていったという。今日の実践につながるきっかけの話がありました。
地域との交流は、福祉委員会主催の自治会単位で開いているサロンに子ども達が参加したり学校主催の交流会に地域の高齢者が参加し、高齢者宅への訪問活動、手紙の交流、そして「卒業式」の招待という年間を通じた交流へと展開していく様子をスライドを入れながら話をしていただきました。
その後、小学校の先生からは「ひとりはみんなのために、みんなはひとりのためにと書いた言葉をクラス目標にしている。それとこの福祉体験学習は、合致している。子ども達に自信を持たせる機会となる。人間関係が希薄の中での子ども同志、世代を越えた人間関係形成のためにも役に立つものである。」と福祉体験学習と地域との交流の効果を話がありました。
新崎先生からのまとめでは、寝屋川の特徴として、「学校での子ども達への福祉教育支援にボランティアだけでなく地域(福祉委員会)が関わることでの広がりの効果がある。この取り組みは「子どもは地域で育てる」「地域の子ども達として、昨今の防犯、安全への取り組みにも広がる。また、福祉教育での福祉体験学習は高齢者、障害者理解というねらいもあるが、大切こととして人を認める事。さまざまな人との人間関係を築き、結び付けていく効果がある」と話していただきました。
1部、2部を通じて会場から笑いもあり、感動もあり、熱く一体感のあった3時間の研修だったと思います。

担当者として、参加者のみなさんに「何かが残れば・・・これからの取り組みの参考になればと思います。」
この研修会でアンケートを実施しました。この結果も後日日記に書きたいと思います。

新崎先生、実践報告者のみなさん、準備から携わっていただいたボランティアのみなさん、教育委員会のみなさんほんとうにありがとうございました。
また、明日からがんばりましょう!!!(職員T)