12月10日、大阪府社会福祉指導センターで、CSW現任者研修に参加してきました。今回の研修は、19年度のCSW養成研修と合同開催で、会場の5階ホールは満員でした。
内容は大阪府の健康福祉課題として
・身体障害者支援、高次脳機能障害への相談支援
・知的障害者支援、知的障害にともなう発達障害への相談支援
・大阪府における若年者就労支援策
・高齢者の孤独死防止策
を各担当している大阪府の職員から説明、解説などがありました。
高次脳機能障害については、大阪府の調査報告の話や相談体制や地域での支援体制などの話がありました。
知的障害にともなう、発達障害=広汎性発達障害(自閉症、アスペルガー症候群)、注意欠陥多動性障害(ADHD),学習障害(LD)などの概念の話があり、その中で広汎性発達障害の自閉症に関する話では、自閉症の家族会が作成したビデオの一部を上映し、特徴や関わり方の話がありました。障害をひとくくりにしない。それぞれ違いがあり、すばらしい力がある。
また、知的障害のある人が地域で生活していく上で、トラブルや事故にあうケースの実態の説明がありました。
経済的搾取、性的虐待、職場、施設での暴力などの話があり、「よりよい支援の説明」として、本人ニーズ、障害特性の理解、社会資源、サービスの活用、地域のネットワークづくりの話がありました。
若年者の就労支援の話では、「フリーター」「ニート」の言葉の定義の話や、ニートのとらえ方の社会問題などの話がありました。「本人の自己責任による問題」だけでなく、社会構造、環境から派生する問題もあるとの話がありました。
最後に高齢者問題として、孤独死、孤立死、ひとり死に をキーワードに話をしていただきました。
人口減少傾向にある中で世帯数は増加している。特に単身高齢者、高齢者夫婦世帯が著しく増えていく現状の話があり、その中で「孤独」「孤立」の実態の話へと展開しました。
大阪府が調査したなかで、閉じこもる高齢者を外出頻度が週1回程度と考えた上で、閉じこもりの要因が身体状況の悪化、住宅構造上の不備、移動手段がない。などの要因の説明があり、また近所づきあいのない高齢者の実態で特に比率が高いのが、「男性1人暮らし」というデータの紹介がありました。
また、誰にも看取られすに亡くなった方々の発見されるまでの日数については、1日以下が多い中で、1週間以上たってから発見される割合が高く、その中で男性の割合が高いというデータの紹介がありました。これは、地域とのつながりの希薄さを現す数値だと思いました。
孤独死は、新聞報道でよくつかわれている言葉、孤立死は、平成18年から厚生労働省で使用され始めている。孤老死は、東京都で使用されている。独居死という言葉もある。それぞれに意味がある、共通しているのが、「誰にも看取られず、一人で亡くなっている実態」それを大阪府の説明されていました職員は、「ひとり死に」と表現されていました。
その「ひとり死に」をどのように考えるのか?不運だけでは済まされないことがあるのでは?それをしっかりとサポートできる体制を地域での見守りと専門職種が連携して関わる必要性の話がありました。
最後に職員から
CSWの仕事を宮沢賢治の「雨ニモ負ケズ」から引用して、エールを送っていただきました。
1日研修でしたが、政策的な動きや、支援のあり方などを学ぶことができた研修でした。
(職員T)