寝屋川社協のつぶやき

寝屋川市社会福祉協議会・ボランティアセンターのつぶやきを書いています。

大阪府主催・地域包括支援センター活動報告会に参加

2010年3月17日に大阪YMCA会館で地域包括支援センターの活動報告会に午前中だけ参加してきました。

初めに、白澤大阪市立大学大学院教授からの基調講演がありました。
1.基調講演「地域包括支援センターの課題」
内容は、
・地域包括ケアは、理念だけではできない。具体的に構築する時期にきている。
地域包括支援センターの機能は、地域のネットワーク作りである。ケアマネジャーは、個別ネットワーク作りである。それを混同しないようにすべき(ネットワーキングとコーディネーションの違いを理解すること)
・ネットワーキングは、包括支援センターの三職種がプロセスの段階からチームとして話し合うことが重要。誰かに任すのではない。
・ネットワーキングは地域に対して地域で行うことである。
地域包括支援センターは、ケアマネジャーが仕事ができる環境を作っていく役割がある。
・包括支援センターは、まちづくりセンターのようなものである。個別ケースへの支援だけに終わってはいけない。
・ネットワーキングの流れは、plan → do → see(check)
また、先生は、全国13か所の地域包括(在宅介護支援センター)で地域包括ケアでネットワークを先駆的に取組んでいる所に取材をすることで、成功例につながる共通項などが見えてきたをまとめ資料を当日の参加者に配布していただきました。

その後、大阪府下で地域包括ケア、ネットワークを特徴的に構築している府下3か所の地域包括支援センターの実践報告がありました。
2.パネルディスカッション「地域での取組み」
(コーディネーター:白澤 政和 氏)
(1) 地域(住民)を巻き込んだ連携事例 
・・・・泉南市地域包括支援センター 六尾の郷
(2) 医療との連携との連携事例
・・・・・富田林市第1圏域地域包括支援センター
(3) ケアマネとの連携支援の取組み
・・・・・吹田市地域包括支援センター(6圏域合同)

(1)の取組み・・・・
・包括以前から、特養法人として、地域とのつながりを大事にしてきた。地道な作業がベースであった。自治会長宅を訪問したりして、特養法人の理解を得るような取組みをしていた。それが包括受託後もそのつながりを受け継いだ事例。
・「地区ケア会議」の開催、月1回開催
・地域の掘り起こしと情報収集。困難事例の情報交換、行政からのお知らせ。地域での問題点課題点の議論
・メンバー
民生委員・老人クラブ、福祉委員、薬局、司法書士、区長、関心のある住民、市行政、CSW、包括
包括内のある一区だけであるが「見守りネットワーク」グループの組織化
ボランティアを育成し、介護保険での支援、ボランティアによる支援を役割分担できるようにするために家事援助を中心とした見守り活動のグループを組織


(2)の取組み・・・・・
・市直営包括としての取組み
・医師会との地域ケア会議を開催している。毎年度、テーマをもって会議を開催している。
・医師会・地域包括支援センター連絡会議
・医師会、地域包括支援センター、かかりつけ医とケアマネの連携体制の構築
・在宅医療の推進、生活の質の向上
・在宅高齢者のための医療と介護の連携
・設立初年度(18年度)は、まず何をしたいのかの把握。医師の包括の認知度の把握。ケアマネ、医師の連携状況の把握
   ==≫見えてきた課題や具体的今後の取組み洗い出す
   
・19年度は、前年度の課題、具体的な取組みなどを洗い出した結果、要援護者の早期発見・対応に向けた連携体制づくり
・20年度は、末期ガンのターミナルケアについての取組みと医師会と包括との協働のフォーラムを開催
・「包括支援センター」の名称「ほんわか」は、市民公募による結果の名称
・調査を行いながら、ニーズキャッチをし、それを根拠に計画し取り組んでいる。
・市直営としての機能を活かし、他の委託包括とも連携をとっている。


(3)の取組み・・・・
・市が直営で6か所運営し、一部福祉の出張所機能も付与し、社協CSWも同じ建物に在住している。CSWとの連携がしやすい環境にある。
・包括圏域内のケアマネジャーとの連携をそれぞれの状況に応じて取り組んでいる。包括主任ケアマネジャーが事業所ケアマネとの連携の窓口となっている。
・その他包括主任ケアマネは、ニーズキャッチの仕組みを検討したり、インフォーマルを中心とした社会資源マップ作りを行ったりした。その成果物などを活用して圏域のケアマネとの連携を図ったりする。ケアマネとのネットワークは、研修、事例検討などをそれぞれの圏域の状況にあわせて実施
   
3つの報告と白澤先生と報告者とのやりとりで確認できたこと
・それぞれのネットワークの構築は、まずはできることから行った。
・計画・実践・評価の流れはどの包括も行っていた。
・1年ではできない、中長期にわたりステップアップしている。
  
この報告を聞いて、西北地域包括も、一歩ずつ前進し、常に、事業所のケアマネジャー、地域の福祉委員などの方々と意見交換をしながら、西北地域包括としてできることから取り組んでいきたいと思います。21年度に開催したネットワーク会議を基盤に検討を重ね、一つでも、できることから実践に移していきたいと思います。

(包括T)