寝屋川社協のつぶやき

寝屋川市社会福祉協議会・ボランティアセンターのつぶやきを書いています。

20年度福祉教育研修会

8月7日午後2時から4時30分まで平成20年度福祉教育研修会を開催しました。
この研修会は今回で3回目で教育委員会と共催で行いました。先生の方々は夏休み期間の研修の一コマとして案内がありました。

当日の参加者は、教職員13名、校区福祉委員17名、ボランティア8名の38名
講師は、大阪教育大学准教授の新崎国広先生。この福祉教育研修会には欠かすことのできない方です。
今年は、打合せの段階で、これからの福祉、プラスイメージの福祉をキーワードにして先生とメールでのやり取りを中心に企画を考えました。

テーマ「これからの福祉  福祉教育がめざすもの 学校・地域・家庭が手をつなぐことの大切さ」
新崎先生が伝えていたポイント
・福祉体験学習の多くは、喪失体験から入る。しかし、それだけで終わらせないことが大切、マイナスイメージだけでなくプラスイメージをどう発信していくか
・高齢者、障がい者理解であったものを高齢者・障がい者生活理解として、生活面、身近な地域での営み、暮らしをどうイメージできるか。そして、体験で感じたことをヒトくくりにしない。
・個別性を見つめる。目の前の問題にも目を向ける=いじめ。
・これからの福祉という側面では、ICFの考え方。その人の持っている障がいにばかり着目するのではなく、その人が社会・環境によって、参加、活動できるようにするためのことを考える。また、「できる」力、可能性にも着眼してほしい。
・「これからの地域福祉のあり方」研究会報告書の内容に触れ、自助、共助、公助という古くて新しい言葉を紹介し、これからは、共助として、共に支え、支えられる関係を再認識する時代、但し公助がしっかりと確保されることが前提となる。
・高齢者・障がい者の生活理解は、単に高齢者・障がい者問題=高齢者・障がい者であることを問題として考えるのではなく、高齢者・障がい者が地域の中で排除、孤立することが問題ということを認識し、子どもから高齢者、障がいを持った人々が共に同じ地域で生活し住むことができる社会作りが地域福祉、福祉教育の目的である。
・子ども達に福祉を伝えるとき、「困っている人だから助けてあげる」という上下関係での支援を伝えるのではない。
・福祉をどう分かりやすく伝えるか、単純化すれば、福祉は幸せ。幸せを実現するためにみんなで協力すること。公共の福祉
・排除、孤立=自分がされるといやなことは、絶対に人にしないこと。
・福祉と人権は密接

という内容を、資料に基づいての講話やアイスブレーク、ワークを取り入れながら進めて頂きました。


その後、集合ゲームを取り入れて6グループに分かれて、福祉体験学習を実施する中での課題などを話し合った。
   
グループワークからいくつか質問がでてきました。
○福祉体験学習だけでいいのか?その取り組み効果があるのか?
○自信が持てない子どもが多いと思うが、福祉教育の視点でなにかできないか?

先生からのヒント
子どもへの支援の必要性:背景は核家族化となったために子どもを支える家族単位が小さくなり、また地域=隣組、地縁組織が機能していたものが崩壊するなかで、新たな共助の仕組みの一つとして、支えあいの機能を構築してきた流れの一つ。
自信がもてない子ども達:親の目、教師の目、人の目を伺っているなかで、のびのびできない。そのためにも学校、親だけでなく地域で暖かく見守り、接点を作る中で、地域の中で大切な存在としての自己有用感を地域の取り組みで企画ができれば、自信が持つことができるのではないか。
福祉体験学習の効果:しなくてもいいではない。意味のない学習ではない。学校と地域がつながり、そこにボランティアが関わる寝屋川の福祉体験学習の取り組みは全国に発信でき、先を行っている取り組みである。地域とつながりながらできる実践は社協の今までの地域福祉の取り組みが基盤となっている。

担当職員からのメッセージ
福祉体験学習の効果:体験学習からの成果はすぐにはでない、自己形成の中のひとつの出来事のなかで、振り返ってみれば「あのときの学習、場、出会い」が影響しているということになるのでは?小中9年間で社会的な成長の一つの要素としてある。実際に中学校の時の、福祉体験学習、ボランティア活動の参加を通じて、今、福祉の実習にきているきっかけとなった。とのコメントをくれた実習に来ていた学生の言葉を伝えました。


今年で3回目の福祉教育研修会、教職員と福祉委員、ボランティアが同じ空間でそれぞれの立場で話し合ったり学んだりできる場の必要性を改めて感じました。この研修を通じて、つながりが強くなることを期待しています。
(職員T)