寝屋川社協のつぶやき

寝屋川市社会福祉協議会・ボランティアセンターのつぶやきを書いています。

地域福祉は福祉教育にはじまり福祉教育におわる2

今日は昨日の続きです。
社協で開催しました。福祉教育研修会のことを書きます。
参加者は160人(定員150人)内訳は、社協職員、学校関係者(教育委員会、教職員)、福祉施設職員、福祉教育に携わっているボランティア、校区福祉委員など、福祉教育に関係のある多くの方々の参加がありました。

寝屋川市社協からは、担当職員の私(職員T)以外にボランティアグループ1団体から5名。校区福祉委員会7校区から23名。合計29名が参加しました。

基調講演は午前中に引き続き、日本福祉大学の原田先生に午前中と違う切り口で地域福祉と社会教育について話していただきました。

〇福祉教育・取り巻く状況

  1. 量的な拡大===≫総合的な学習の時間。(きっかけ)・・・寝屋川社協でも同じです。
  2. 質的な問い直し===≫福祉教育実践の形骸化(体験学習だけでおわっていることへの危惧)・・・寝屋川での取り組みは体験学習中心。何とか形骸化させないために仕掛け作りを模索中。ヒントはたくさん集まってきました。
  3. 総合的な学習の時間によって基礎学力低下につながったのではない。・・・・考える力、意欲(動機づけ)限りある時間を有効にしていきたい。

〇福祉教育の形骸化 

  1. 福祉教育の三大プログラム=擬似体験。施設訪問。手話・点字
  2. 擬似体験の落とし穴====≫体験だけで終わる怖さ・・・・・障害者、高齢者に対して「でき ない」「かわいそう」というネガティブな一面しか伝えれない怖さ。これは「貧困的な福祉感」
  3. 決してそうではないはず。高齢者は様々な経験を積んだ生活の知恵を持っている人。障害者であっても、不幸ではない生活がある。
  4. ノーマライゼーション、共生を伝える。
  5. 施設訪問=慰問・・・・・施設入所者は「慰められる人々なのか!」施設側も考えるべきでは、訪問で、コミュニケーション、交流を通じて双方向で「気づき・学び会える関係」を作るべきでは?
  6. 点字・手話===≫技術習得が目的なのか?・・・・点字。手話を通じて何を学んでも らいたいのかをはっきりすべきではないか?

ノーマライゼーションの価値

  1. 理念から原則へ
  2. 仲間はずれにしないこと。(非排除の原則)
  3. あなたの存在に価値がある。(絶対的価値)
  4. すべての命は対等(対等性)

総論賛成各論反対からの脱却

などを社協職員、ボランティア、施設職員、校区福祉委員会、学校関係者に対して、分かりやすく課題を話していただきました。

〇これからの傾向

  1. 学校から学校外へ
  2. こどもたちの学びの場を多様化させる
  3. 生涯学習と福祉教育との融合
  4. プラットフォームの展開

これらのことをプラットフォームを利用して、地域、学校、社協、ボランティアなどが遠慮しないで話し合っていく機会をセットすべきとの話になりました。

続いて、大阪教育大学の新崎先生をコーディネーターに、八尾市社協池田市社協阪南市社協から実践事例の発表がありました。
八尾市社協からはボランティア講座を通じての福祉教育
池田市社協からは学校、施設、社協との関係における福祉教育
阪南市社協からは地域に対して「防災学習」を通じての福祉教育
の発表がありました。
そこでは、福祉教育は単なる活動ではない、「気づき・学びがありふりかえりがあって、そこに関わった人々の成長(変化)を感じ、次へつながっていく要素があるのが福祉教育ではないか」という共通項だと思いました。また福祉教育には正解はない。常に創られていくもの、創り出して行くものとの話がありました。

寝屋川からの参加者からは、「勉強になった。」「学校での体験学習の支援をボランティアグループと一緒にしているが、地域の役割について考えていく必要があると感じた。」「体験学習を通じて子どもとの交流を深めて広がっていきたい」「寝屋川でも福祉教育でもっと的を絞って福祉委員対象に研修会を開いて、みんなに伝えてみてはどうか」と感想を話していただきました。

寝屋川社協は多くの小中学校で福祉体験学習を実施し、ボランティア、福祉委員会が協力して関わっています。学校と地域とのつながりの基盤はあると思います。それを大切にしながら、少しずつ進めていき、子どもの時から地域で福祉について学んでいける環境づくりをみんなと一緒に作っていきたいと思いました。

2月7日の福祉教育を考える1日に参加した、岸和田市社協の職員の想いがつまったブログも参照してください。岸和田市社会福祉協議会 -社協の動き-:福祉教育 - livedoor Blog(ブログ)
(職員T)